人間ドックなのに朝食を食べてしまった。

朝いつもどおり起床し朝食を食べた後で、「しまった、今日は人間ドックの日だったのに」と思い出した場合、どうすればよいのでしょうか。今日の人間ドックはキャンセルし、日を改めてきちんと空腹時に検査できれば良いのですが、忙しいスケジュールをやり繰りするのは容易ではありませんし、検査機関にも迷惑がかかると気が引けます。うっかり朝食を摂ってしまった場合でも、全く検査が受けられないということはありません。朝食を食べてはいけない理由はいくつかあります。

1つは、食事の影響を受ける検査項目がいくつかあるからです。例えば中性脂肪は食後10時間~12時間くらい経たないと正確な数値は出ないと言われています。血糖値も食事の影響を受けますので、空腹時に採血する必要があります。2つ目は、胃カメラを飲む場合に、食べたものを吐いて窒息する危険があるからです。

3つ目は胃の検査の場合、胃の中の内容物が邪魔で胃粘膜の様子が見えにくくなるからです。また腹部エコーの場合、胃に内容物があるとガスが発生しやすく、ガスで画像が見えにくくなるからです。即ち、胃の検査や腹部の検査の時に、胃の内容物やガスが診断の妨げになるのです。万が一、朝食を摂ってしまった場合には、何時ごろに何をどれくらいの量食べたか、スタッフに伝えて下さい。

精度は落ちますが、胃や腹部の検査を一番最後にする、順番を一番最後にするなどで対応できることもあります。また、食後の値であることを踏まえて検査データを読むことで、食後高脂血症が判明するなどのメリットとなる場合もあります。朝食を食べてしまったことを隠して人間ドックを受けることだけは、絶対に止めてください。

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