人間ドックの検査の結果は、わかりやすく判断できるように正常、経過観察、再検査、精密検査という形で示されます。尿検査や血圧検査などでは、検査の数値として基準値の範囲内に該当しているときには正常と判定されて、それ以外の場合では何かしらの異常があるものと考えられます。基準値としては、過去に大きな病気がない人や、健康的な人の検査の結果から求められる数値となります。日本人間ドック学会では、医療機関によって基準値を統一化するために、全国的なデータを元にして基準値のガイドラインが作成されています。
人間ドックの受診を行って、検査の結果として異常の判定を受けたときには、医師の指示に従って再検査や精密検査を受ける必要があります。仮に自覚症状がない場合であっても、そのまま放置しておいてよいものとは言えませんので、どのような病気の症状があるのか確認しておくことが大切になります。再検査や精密検査では、将来的に病気を発症する危険性があるのか、すでに病気を発症しているのかについて調べることになります。便潜血検査で陽性反応が出たときには大腸がんについて疑われることになりますし、腹部X線検査で異常の判定が出たときには胃がんや食道がん、十二指腸がんなどが疑われます。
マンモグラフィ検査や超音波検査の結果で、異常の判定が出たときには乳がんについて疑われることになります。眼底検査では視神経の障害や、視野が欠けるときに起こる緑内障を発症している可能性があります。血圧が高い状態が続いているときには、動脈硬化の症状について促進している場合がありますので、脳卒中や心臓病の兆候がないか調べられます。